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掲載日:2021年11月21日

ファイル共有を社内で効率的に行う方法とは?

チームとして業務を行う場合必ずと言っていいほど必要となるのがいわゆる「共有フォルダ」です。
メールで完結することもできなくはないのですが、情報管理の観点からも共有フォルダを使用するのが最善と言えます。

今回はWindowsの基本機能としての共有フォルダと、代表的なファイル共有のソリューションについて比較を行ってみました。

Windowsで使えるフォルダ(ファイル)共有方法

フォルダ(ファイル)共有の方法は様々なものがあります。

今回はその中で代表的なものについてご紹介していきたいと思います。
大きく「Windows10にデフォルトで備わっている機能」「ファイルサーバー/NAS」「クラウドストレージサービスに分けてご紹介します。

まずは「Windows10にデフォルトで備わっている機能」です。
大きく分けて2種類の方法があります。

  1. 「共有フォルダ」機能

    「共有フォルダ」はwindows10に標準装備されている機能です。
    「右クリック>アクセスを許可する(G)>特定のユーザー...」や「右クリック>プロパティ(R)>共有タブ>共有(S)...」などから設定することができ、「Everyone」でLAN内の全員に、検出された特定のユーザーを選択するとその人だけに外部から見える設定にすることができます。
    この機能を活用し、不要になったPCをファイルサーバー代わりに使うという方法を取ることも可能です。
    後からHDDを増設してストレージを増やすなどの拡張性も高く、お手軽なファイルサーバーとして活用できます。

  2. OneDrive

    OneDriveはMicrosoftが提供しているクラウドストレージサービスです。
    ローカルのフォルダとデータを同期し、Windowsのフォルダを普通に触っているような感覚でクラウド上のデータを取り扱うことができます。
    ファイルの共有も簡単で、ブラウザでのアクセスを行うと現在共有中のファイルリストが表示され、該当のフォルダを右クリックして「共有」すると「閲覧権限」「編集権限」「共有相手」を選んで共有することができます。

どちらも無料(OneDriveは有料版あり)で利用できます。

「ファイルサーバー/NAS」は古くから利用されているファイル共有方法です。
社内にサーバーを立ててLAN内でファイルを共有できるようにしたのがファイルサーバー、それをより手軽に実現したのがNASと考えてもらえれば良いかもしれません。
どちらも社内ネットワーク内にデータが保持されているのが特徴で、NASはネットワーク上にHDDがあるような状態と考えてもらえればわかりやすいと思います。
ファイルサーバーは構築や設定の手間は発生しますがその分柔軟性があり、セキュリティの面などで細かな設定が可能です。
最近はNASもソフトウェアによる細かいコントロールが可能になってきており、ファイルサーバーとの差異が少なくなってきています。

最後に紹介するのが「クラウドストレージサービス」です。
こちらは近年大きくシェアを伸ばしてきているサービスで、代表的なものとして「Dropbox」や「Google drive」「Box」などがあります。

特徴としてはクラウドサービスであるためネットワークさえつながっていればどこからでもファイルにアクセスできること、ローカルのフォルダとクラウド上のファイルを同期し、あたかもローカルフォルダ内に共有フォルダがあるような感覚で作業できることなどがあります。
ちなみにこのミラーリング機能は同期しているフォルダがローカルフォルダ感覚となるため誤ったファイル操作でファイルの削除や変更を行ってしまいやすく注意が必要となっています。

「Windows10にデフォルトで備わっている機能」でご紹介したOneDriveも、このサービスのひとつです。

いずれのサービスもある程度の制限はあるものの無料で使用することができますが、組織として利用する場合は容量やセキュリティ、またライセンス管理の観点から法人向けプランを利用することをお勧めしています。

セキュリティ面でクラウド上にデータを置くことに対して心配されるケースもありますが、現実的な観点での指摘として中小企業が自社で行うセキュリティ対策とクラウドサービスを提供している企業がサービスに対して行うセキュリティ対策とでは対策のレベルが異なります。
クラウドサービスを提供しているメーカーではメーカーホームページで取得している認証証明書や規格を公開しているため自社が求める規格を取得しているか確認することが可能です。

BCPの観点で見た場合も、自社の社内サーバーにデータを置いてある場合とクラウドサービスで複数個所にデータを保存し冗長化している場合では後者の方がより効果的な対策を打てていると捉えられるかもしれません。

多くの場合1アカウントごとに費用が発生するため、入社や退職に合わせて柔軟に規模を増減できるのも特徴と言えます。

ファイル共有に伴う注意点

ファイル共有はチームで業務を行うにあたり非常に便利な機能ですが、同時に注意しなければならない点が多数あります。
中でも重要なポイントについて以下の通りいくつかご紹介します。

どれかひとつ間違うだけでも致命的なトラブルに発展しかねない内容となります。
いずれも情シス担当者が責任をもって設定を取り組む必要がある項目です。

  • アクセス権限設定

    最重要な観点がここになります。
    この観点はファイルサーバーやクラウドサービスなど、どの共有方法でも共通して注意しなければならない観点です。
    共有すべき情報の中には、社外に伝わってしまうとまずい情報(営業機密情報)、社内でも一部の人間にしか開示できない情報(経営指標やM&A案件等)、特定部門内でしか閲覧できない情報(人事情報や給与関連情報等)など様々な情報が入り混じります。
    閲覧すべき人が閲覧でき、閲覧してはならない人が閲覧できないように各フォルダに対して権限設定を行う必要があります。
    ファイル共有を行う際には必ずこのフォルダ構成とそれぞれのフォルダに対する権限設定を行ってから使用する必要があります。

  • バックアップの定期実行

    複数人でデータを同時に触るため、どうしても不可抗力でのファイル破損や上書き、消去と言った事故は避けられません。
    クラウドサービスでは有料版で復元可能なバージョン管理サービスが提供(何世代分かはサービスによる)されていたりしますが、ファイルサーバーやNASではきちんと設定しておかないとバックアップが取れないこともあります。
    また、ストレージに対してのアクセスも個人利用とは比較にならないくらい多くなってしまうためできるだけ定期的なバックアップを行うようにしましょう。
    さらに、ストレージ(HDD)自体が故障してしまうケースもあるため定期的な確認も必要です。

  • セキュリティ対策

    ファイル共有ソフト側でいくら気を付けていても、端末側がマルウェア感染してしまうと共有フォルダ経由でマルウェア感染したファイルが共有されてしまう可能性があります。
    クラウドサービスを利用していて自動で同期される設定になっていた場合は気づかないうちにマルウェア感染ファイルがローカルフォルダに同期されてしまうかもしれません。

こうした事態を防ぐためにも、端末へのセキュリティソフトのインストール、ファイルサーバーへのソリューション導入などを行い、セキュリティレベルを高めておく必要があると言えます。

また、クラウドサービスは自動で同期しない設定にすることで自端末からの被害の拡大、他端末からクラウドサービスに同期されたファイルからの感染を防ぐことができます。
セキュリティ面のためにもローカルPCのHDD容量圧迫しないためにもこうした対応を行うのが推奨されます。

ファイル共有はリモートワークでの必需品。正しく活用して業務効率の向上を

ファイル共有はチームで作業する際になくてはならない機能です。
windows10の標準機能であっても外部サービスを利用する場合であっても、正しい知識を持って活用すればセキュリティレベルを維持したまま業務効率を向上させることが可能です。
情シス担当者として各手法の特徴を正しく理解し、自社にとってどの方法が最適か検討のうえ環境構築に臨んでいただきたいと思います。

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